実はウィルコムのボリュームゾーン - 音声端末「WX320K」「WX321J」を試す
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実はウィルコムのボリュームゾーン - 音声端末「WX320K」「WX321J」を試す
(1)
折り畳み型のWX320K、ストレート型のWX321J
丸山弘詩 2007/3/14
新たなる「ベーシックモデル」
本稿で紹介する「WX320K」及び「WX321J」は、1月22日に発表され2月15日から販売が開始された、ウィルコム音声端末の最新モデルである。
ウィルコムの端末と言えば、「コアモジュール戦略」に則ってW-SIM(ウィルコムシム)を採用し、2005年12月に発売されると同時に大きな反響を呼んだ「W-ZERO3」、その後継機である「W-ZERO3[es]」を思い浮かべる人も多いだろう。また最近では、W-SIM搭載の「nine」や「nico.」などの音声通話を主体とした端末も話題になった。だが、今回紹介する新型2機種にはW-SIMは採用されていない。従来型の音声通話中心のシリーズを継承したものである。
京セラ製のWX320K。非常にシンプルな折りたたみ型のモデル
日本無線製のWX321J。指紋認証センサーを備えた、ストレート型のモデル
しかし、調査会社ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンの調べ(全国の量販店におけるPOSデータ)によると、2006年にウィルコムで最も販売台数が多かったモデルは、実はシンプルな「WX300K」である。これは2005年11月に発売された音声端末で、「京ぽん」の愛称で親しまれた「AH-K3001V」のマイナーチェンジ版に相当する。昨年はW -SIM搭載端末のW-ZERO3シリーズや「nine」などが話題になったこともあり、意外と思われるかもしれない。マニアックな機能はほとんど搭載されてないが、シンプルであるが故に小さく軽く、そして販売価格も安いという、判りやすさが特徴と言えるモデルが、ボリュームとしては多く販売されていたのだ。
ウィルコムの利用者には非常に熱心なファンが多く、その結果として、話題に上がるのはどうしても多機能・高機能なモデルに偏りがちである。だが、ビジネスとして考える場合にはやはり、販売台数を稼ぐことが期待できるベーシックなモデルが欠かせないと言えるだろう。そうした意味では、今回紹介する2機種はいずれも基本をしっかりと押さえた、ベーシック路線に忠実なモデルと言えよう。
シンプルながら「ガジェットとしての硬さ」を備えた「WX320K」
京セラ製の「WX320K」は、コンパクトかつスマートで軽量な折り畳み型モデルである。"Real Metal Face"をデザインコンセプトに掲げ、背面パネルにはアルミ素材を全面で採用するなど、外観や質感にこだわりを見せているのが特徴である。
WX320Kの前面。シンプルな折り畳みタイプ。サブディスプレイで時刻などを確認できる
WX320Kの背面。カメラのレンズはこちらへ移動されている
WX320Kの特徴であるアルミ製のパネル。質感は十分である
開いた状態のWX320K
付属している充電スタンド
(2)
AH-K3001Vの直系のモデルとなるWX320K
丸山弘詩 2007/3/14
実際に手にして改めて実感するのは、その軽さと小ささである。最近の携帯電話を持ち慣れていると、その圧倒的な軽さに違和感すら感じることだろう。デザインそのものは、アルミ素材による質感向上などが図られているものの、極めてオーソドックスなものである。だが、奇をてらったところがないだけに、嫌みのないスマートさを兼ね備えている。
操作面。キー配置は一般的な携帯電話とほぼ同じ。蝶番の下にある「PAGE」ボタンは、WX300Kと同様である
WX320Kの液晶。精細で見やすい印象を受ける。外光の下でも視認性は高い
操作面左側に配置されたイヤホンマイク端子。一般的な平型が利用できる
WX320Kの右側面。シャッター兼伝言メモボタンのみが配置されている
背面カメラ部分のアップ。そばにマクロ撮影の切り替えスイッチが配置されている
初代「京ぽん」である「AH-K3001V」の直系に当たるモデルであり、型番的には直前のモデルである「WX310K」とは路線が異なる。先に紹介した人気モデル「WX300K」に、1.3メガピクセル相当のカメラを装備し、JAVA(MIDP 2.0)、RSSリーダ機能といった、いわば「流行の機能」を取り込んだ、使いやすさ優先のスタンダードなモデルという位置づけにある。
「アクセサリ」メニューの中のJava設定。ネット利用設定などを行なう
プリセットされているJava製ゲームの一覧
搭載されているOperaはVer.7。Flashには対応しない
京セラのオフィシャルサイトを表示した画面
新登場の「RSSリーダー」は、Operaサーバーサービスを利用している
電話機としての機能はもちろん、初代京ぽんから熟成された構成の強みで、メールやブラウジングに関しても意外なほど快適である。特にPHS高度化通信規格である「W-OAM」に対応している点は大きく、「WX300K」に比べてデータ通信時の高速化だけではなく、電波強度が弱い場所であってもかなり安定した音声通話が行える。ただし、パケット通信時のバッテリ消費は大きく、ヘビーな通信を長時間続けると、早々にバッテリが空になる事態に陥るかもしれない。この辺りは割りきった使い方が必要であろう。
決して派手さはないが、だからこそ安定した、日常の相棒としての安心感を備えたモデルである。ウィルコムを通話の主回線として使っている人、あるいはW-SIMモデルとの2回線保持を検討している人には、そのシンプルさと使いやすさからお勧めである。
(3)
自営モードに対応するビジネス指向の端末WX321J
丸山弘詩 2007/3/14
硬派なビジネス志向のストレートモデル「WX321J」
同時に発表された日本無線製「WX321J」は、指紋認証センサーを搭載した、最近では珍しくなった「ストレート型」の音声端末である。シンプルにまとめられたフォルムと、大きめの液晶画面を持ち、ビジネス志向であることを特徴としている。
WX320K同様、WX321Jもそのサイズと重量に驚かされるが、液晶画面の見易さや良く練り上げられたキー配置など、使い勝手は決して悪くない。特徴的なのが独自の「指紋認証センサー」で、これはセキュリティ設定のためだけではなく、「方向キー」としても動作する。慣れるまでは違和感を覚えるだろうが、前モデルである「WX310J」よりも、その追従性や操作性は格段に向上しており、全体的に使いやすいものとして仕上がっている。また、サイズや重量も前モデルよりコンパクトになっている点も見逃せない。
WX321Jの前面。液晶の占める割合が大きく、操作面が小さく感じる
WX321Jの背面。背面はシルバー。カメラレンズとマクロ撮影用の切り替えスイッチなどが配置されている
WX321Jの液晶画面。視認性に優れており、外光の下でも見易い
WX321Jの操作面。指紋認証センサーの周囲には別途、方向キーが新設されている
付属する充電スタンド。WX320KとちがいACアダプタと直結されている
操作面右側に配置されたロックスイッチとmicroSDカードスロット
左側面にはイヤホン端子が配置されている。一般的な平型コネクタをサポートする
端末下部のUSB端子。標準の充電器以外に、USB経由での充電もサポートする
「WX321J」では「WX320K」とは異なり、microSDカードスロットを装備している点も特徴である。メールやアプリケーションのバックアップを単体で行うことが出来るため、万が一の不慮の事故にもある程度は対応できるだろう。
また、自営モードとして自営標準第2版(RCR STD-28 Ver2.0)に対応している点は、コードレス子機やトランシーバとしての活用を考えるユーザにとって、見逃せない特徴といっていい。
メニュー画面。凝ったGUIが用意されており、判りやすい構成になっている
メニュー画面から一段下がると、一般的なメニューとなる
指紋センサー設定画面。管理者の指紋を別途登録できるなど、ビジネス志向な面が垣間見れる
(4)
音声通話端末として、手堅くまとめられた2機種
丸山弘詩 2007/3/14
電話機としてみると、前モデルよりは短くなってしまったものの、それでも連続待ち受け時間が750時間と長く確保されている点は嬉しいところである。また、WX320Kと同様、「W-OAM」に対応しており、高速データ通信と安定した通話機能を両立させている。
ビジネス志向の特徴として、「Office Viewer」を搭載しており、Word/Excel/PowerPoint文書だけではなく、PDFにも対応している。オフィス用途のファイルをちょっと確認するには十分な機能である。ただし、PDFの場合はファイルサイズ次第では閲覧が厳しい場合もある。
搭載されているブラウザはNetFront 3.4で、Flashには未対応
NetFrontの特徴であるタブ機能はもちろんサポートされている
Excelワークシートの参照例。簡単に中身を確認したい用途には十分だろう
PDF文書も参照可能だが、文書のサイズ次第では閲覧が厳しい場合もある
「華」のあるモデルではないが、質実剛健かつ無駄のない構成は、まさに「ビジネス志向」なモデルと言えるだろう。
WX320KならびWX321Jは、近頃のケータイに多い高機能かつ多機能を売りとした端末とするのではなく、安心して使える堅実な音声通話端末として手堅くまとめられている。いずれも音声端末としての完成度は高く、日常使いの端末として安心してお勧めできるものである。
型番 WX320K WX321J
メーカー 京セラ 日本無線
サイズ(折りたたみ時) 約49×21×98mm 約51×16×120mm
質量 約105g 約108g
液晶サイズ 2.2インチ 2.4インチ
液晶解像度 240×320ドット 240×320ドット
カメラ 約130万画素CMOS 約130万画素CMOS
連続通話時間 約5時間 約6.5時間
連続待ち受け時間 約450時間 約750時間
搭載ブラウザ Opera 7 Netfront 3.4
Java MIDP2.0 MIDP2.0
FLASHプレイヤー - -
電話帳 1,000件 1,000件
予測変換機能 Advanced Wnn V2 Advanced Wnn V2
MIDI音源 64和音 64和音
データ通信1x / 2x / 4x ○ ○
W-OAM ○ ○
フレックスチェンジ ○ ○
64K PIAFS ○ ○
32K PIAFS ○ ○
リモートロック ○ ○
ハンズフリー - ○
USBマスストレージ - ○
ミュージックプレイヤー - -
Excel/Word/PowerPoint - ドキュメントビューワ
PDF - Adobe Reader LE
QRコード ○ ○
ムービー - ○
microSDスロット - ○
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