携帯飽和市場 切り崩せるか イー・モバイル定額・高速に自信
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携帯飽和市場 切り崩せるか
イー・モバイル定額・高速に自信
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イー・モバイルのサービス発表会で新しい端末「EM・ONE」を説明する千本倖生会長
イー・モバイルによる約13年ぶりの携帯電話事業への参入は、大手3社の寡占状態が続く携帯電話業界に、料金やサービスの新たな競争を巻き起こす可能性がある。ただ、携帯電話と簡易型携帯電話(PHS)の国内保有台数は1億台を超えており、既存大手の顧客の切り崩しは難航するとの見方もある。(永田毅)
ビジネス狙い
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イー・モバイルの千本倖生会長は19日に開いた事業説明会で、「日本の携帯は、世界に比べて料金が高く、通信速度も遅い」と、参入の動機を語った。
3月31日から始めるデータ通信サービスは、月額5980円の定額制だ。パソコンに差し込むカードを使ったデータ通信では、PHS大手のウィルコムが唯一、定額制を採用しており、料金は月額6090円だ。イー・モバイルの料金設定には、ウィルコムへの対抗意識がのぞく。
携帯大手3社では、通信量に応じて料金を支払う「従量制」が主流だ。大量の情報をやり取りする法人や外回りのビジネスマンらにとっては、定額制で通信費を削減できる可能性がある。イー・モバイルが当初の顧客層をビジネス需要に絞っているのは、このためだ。
一方、通信速度は、現在主流の第3世代携帯の約10倍の速度でデータが取り込める3・5世代で、NTTドコモが提供する最新サービス並みの速さだ。
新規参入業者による戦略的な価格設定が、業界全体の価格競争の契機になった事例は、国内航空業界や電力業界など数多い。イー・モバイルが料金と通信速度など、使い勝手という点で利用者に受け入れられれば、通話・データ通信の料金体系に風穴を開ける可能性もある。
1人1台時代
携帯電話の大手3社の契約数は、1月末現在、NTTドコモが5222万件、KDDIが2743万件、ソフトバンクモバイルが1566万件に達する。PHSを合わせると、1億台を超え、市場は「1人1台」時代を迎えている。
イー・モバイルは当面、親会社のイー・アクセスが展開するADSLサービスとセットで申し込んだ場合、二つのサービスの月額基本料の合計額を1500円値引きする価格戦術で、新規契約者の取り込みを図る。
カード型の通信機器の場合、端末価格などの初期費用は、2万8980円で、1年契約の場合は4980円に割引される。ただ、携帯端末「EM・ONE(エム・ワン)」の初期費用は、9万5000円だ。2年契約なら3万9800円に割り引かれるが、途中で解約すると解約料が発生する。
関係者の間には、「価格や通信速度に格段の優位性があるわけではなく、事業展開は厳しい」(大和総研)と、飽和状態の市場に切り込めるか疑問視する見方も出ている。
他社は静観
イー・モバイルは、NTTドコモの基地局を借りるなどして08年3月に音声通話サービスを始める。10年秋をめどに自前の基地局に切り替える。料金に関しては、定額制にするかどうかを含めて明らかにしていない。このため、既存の携帯・PHS各社は、静観の構えだ。
NTTドコモの場合、データ通信サービスの収入は、4兆円を超える携帯電話収入の約4分の1しかない。データ通信収入の大半はネット接続サービス「iモード」で、業績面で大きな影響を受けるとは現段階では考えにくいとの見方だ。
PHS業者のウィルコムも、現段階では対抗値下げなどは検討していないとしている。
(2007年2月20日 読売新聞)
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