大学生に戸惑い NO 携帯フィルタリング規制
総務省による、携帯電話会社へのフィルタリング導入促進の要請を受け、各社は、2月から新規加入の未成年者に携帯フィルタリングサービスの利用の意思確認を行った。いったいなぜ、未成年者がアクセスする自由を制限されるようなフィルタリングサービスが導入されたのか。
http://www.news.janjan.jp/living/0803/0803120591/1.php
昨年末、総務省による携帯電話事業者(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、ウィルコム)に対するフィルタリング導入促進の新たな要請を受け、2月から大手携帯電話各社は、新規加入の未成年者に対して携帯フィルタリングサービスの利用を原則とした意思確認を行った。既存契約者にも周知開始後6月以降は順次適応する。
フィルタリング規制とは?
フィルタリング規制とは、未成年に有害なサイトへのアクセスを遮断するサービスである。規制対象となっているのは、不法(薬物など)、アダルト、自殺、出会い系、コミュニケーション(掲示板、ブログ)、ギャンブル、暴力などである。
フィルタリングには「ホワイトリスト」方式と「ブラックリスト」方式がある。「ホワイトリスト」は携帯電話会社が安全であると事前に登録したもののみ未成年は閲覧可能となる。一方「ブラックリスト」方式は、その逆で、携帯電話会社が有害であると事前に登録したもののみがブロックされ、その他のサイトは自由に見られるという仕組みである。しかし、ブラックリスト方式でもSNS、ブログはすべて見ることができない。(下図参照)
NTTドコモは今のところホワイトリスト方式。KDDIは申し出がなければ「ホワイトリスト方式」であるが、3月6日から「ブラック方式」のフィルタリングサービスを始めた。ソフトバンク、ウィルコムはブラックリスト方式である。
携帯会社各社は3月から新規契約申込書において、未成年が利用する場合は、親権者にフィルタリングサービス利用を原則とした意思確認を行っている。総務省に取材したところ、新しい親権者同意書のメリットとしては以下の2点が挙げられるという。
1.販売店の店員がフィルタリングの存在を意識することによって、確実な説明が期待でき、同時に説明しようとするインセンティブにもつながる。
2.保護者が「なぜフィルタリングが必要なのか」を考えることによって、いっそうの理解が進む。
参考までに、現在使用されている携帯電話各社の親権者同意書は下記リンク先に掲載されている(それぞれPDFファイル)。
・NTTドコモ ・KDDI ・ソフトバンク ・ウィルコム
フィルタリング規制の背景
いったいなぜ、未成年者がアクセスする自由を制限するようなフィルタリングサービスが導入されたのだろうか。背景には青少年が携帯を使った犯罪に巻き込まれる事件が多発していることがある。
警視庁によると、去年の出会い系サイトに関係した事件の被害者数は1297人で、うち児童者数は1100人だった。出会い系サイトへのアクセス手段として携帯電話を使用した被害児童は、1100人のうち1062人で、なんと96.5%を占めることになる。
総務省は今回のフィルタリング規制について、「平成18年11月から携帯電話事業者等への要請は行っていた。今回の要請内容はその1歩進んだ形で、義務ではない。また、現在のフィルタリングは完成しておらず、これから検討会を踏まえ変わっていく」とコメントしてくれた。
要請を受けサービスを導入した携帯電話各社
総務省の要請を受けた携帯会社各社にも、フィルタリング原則加入の適用についてどのような考えであるか電話で、未成年のフィルタリング規制について、担当者のお話をうかがった。
NTTドコモは「総務省から申請をいただいたことは、社会的状態を踏まえて致し方ない。原則加入といっても強制力があるのではなく、明示して選択肢をご提案してお客様に選んでいただく」としている。
ソフトバンクは「青少年が携帯を使った犯罪に巻き込まれるケースは多く、総務省の要請は重く受け止めている。原則加入はみなさまにインターネットを安全にお使いいただくため」としている。またソフトバンクがホワイトリスト方式ではなくブラックリストを導入している理由については、「中学生、高校生は携帯を調べものとして利用する場合もある。ホワイトリストだとそれが厳しくなる。利便性を考えて」ということだった。
ウィルコムは、今回のサービス導入について「第1に安心・安全なインターネットの利用方法及び、フィルタリングサービスについて理解いただいた上で、利用するかしないかの判断を親権者にしていただくという運用を徹底させることが重要であると認識している」ということであった。
また、今後の取り組みとしては「現在のフィルタリングサービスは必ずしもユーザニーズに応えたものではない。今後も様々なニーズに応えるべく、フィルタリングサービスのみならず、この問題に対する対応について継続して取り組んでいきたい」ということだった。
各社とも、総務省の申請に対しては、前向きな姿勢であった。またフィルタリングサービスについては、各社とも現状では、すべてが使い勝手がいいとは考えておらず、今後ユーザーのニーズにあわせて変化していくとの意向であった。
今回の、総務省や携帯電話各社の取材を通じて、フィルタリング規制が未成年をさまざまな危険から守るという意味において非常に重要であるということが分かった。しかしながら、プラス面だけではない。今回のフィルタリングサービス導入によって、コミュニケーション(ウェブチャット、掲示板、IT掲示板)のカテゴリーも閲覧規制対象となる。そのなかには、人気コミュニティーサイトや携帯小説も含まれる。
次回は、コミュニティーサイトをもう少しクローズアップし、そこから学生の立場で携帯フィルタリング制限を検証していきたいと思う。